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寛政の改革の時代に集めた世間の評判を解説。山本博文『武士の評判記 「よしの冊子」にみる江戸役人の通信簿』

どうも。また本を買いすぎた馬頭です。

それはともかく。

山本博文『武士の評判記 「よしの冊子」にみる江戸役人の通信簿』

『武士の評判記 「よしの冊子」にみる江戸役人の通信簿』

(山本博文。新人物往来社。新人物ブックス。2011年。1400円。191ページ)
序章 松平定信の登場
第一章 政権交代 松平定信と田沼意次
第二章 老中たちの評判
第三章 幕閣大名の生態
第四章 町奉行の勤務ぶり
第五章 勘定奉行と勘定所役人
第六章 江戸の機動隊、火付盗賊改
終章 松平定信の退場
付表 諸役職就任者
参考文献
あとがき


天明七年(1787年)に老中首座になった白河藩主・松平定信は、江戸などでの役人や大名などへの人々の評判を、近習番という側近の水野為長という人に調べさせ、「よしの冊子」という本にまとめさせました。
これは「よしの冊子」をもとに当時の有名人たちの評価を紹介した本です。著者は「江戸お留守居役の日記」「江戸城の宮廷政治」「遊びをする将軍 踊る大名」などの山本博文氏。

松平定信という上司への報告書のようなもので、本として当時出版されたというものではありませんが、こうして伝わって生の評判を知ることができるわけです。(そういえばこの本ではなんで「よしの冊子」が現代まで残ってたのかについてとか書かれてないな)
結構厳しい世間の評判は意外と的確で、民衆には好かれてるけど、上司に受けがよくない人とか、はじめは評判良かったのに、細かすぎて嫌われてしまった人とか、なかなか興味深い分析をしつつ評価しています。鬼平こと長谷川平蔵の評価もあります。
また各人の財政状況や勤務内容、役職への期待や猟官運動の様子など、単純に地位があがったから喜べるというものでもなかったのがわかります。
どの人も面白いエピソードがあって、小物っぷりがバレてたり、大物っぷりが感心されてたり、人々の反応も面白い。というか、田沼意次がやっぱり評判悪くて、松平定信が極めて人望があったというのは、本当だったんだな。「風雲児たち」読んだあとだとなんか吃驚です。

参照サイト
松平定信
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B9%B3%E5%AE%9A%E4%BF%A1
水野為長(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%87%8E%E7%82%BA%E9%95%B7
中経出版
http://www.chukei.co.jp

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「江戸の役人事情―『よしの冊子』の世界 (ちくま新書)」
「20世紀ロシアの農民世界」
「八重の桜 2 (ジャンプコミックス)」



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