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交通の要所で北京の玄関である街の近代の発展の様子。天津地域史研究会『天津史 再生する都市のトポロジー』

どうも。馬頭です。
最近は全然自転車乗れなくてストレスが溜まってます。なんでよりによって日曜に天気が悪くなってしまうんだか。あ、でも日本は日曜日に雨が降る確率が、他の曜日よりか高いらしいですよ。(慰めにもならない)

それはともかく。

天津地域史研究会『天津史 再生する都市のトポロジー』

『天津史 再生する都市のトポロジー』

(東方書店。天津地域史研究会。編著/リンダ・グローブ、浜口允子、貴志俊彦。1999年。2400円。253ページ)
目 次
序章 本書の視角
第1章 歴史と都市像の変化
第2章 華北経済の中心都市
第3章 港と交易
第4章 情報社会の誕生
第5章 外交と政治のまち
第6章 租界・小さな国際社会
第7章 都市下層民と幇会・黒社会
第8章 天津のなかの日本租界
第9章 メディア文化とナショナリズム
第10章 建築と都市施設
あとがき
挿図出典一覧
参照・引用文献目録
<史料2>天津史大事年表
<史料1>一九二一年天津在住著名人一覧
索引


一昔まで中国の交通上の要所であり、首都・北京の玄関口でもあった港町・天津の歴史を、特に清末から二次戦前後までを中心に扱った研究書。

自分の中での幕末ブームが飛び火して、明治時代、明治時代の朝鮮、そして清末から民国時代の中国にまで興味が移ってきた中で手にとった本です。もう、自分の本来の趣味範囲であるロシア・東欧からどんどん遠ざかってきてますが、これはこれで無茶苦茶面白かったです。
天津は中国の河川・運河の水上交通と海上貿易、そして陸上交通の結節点で、首都の北京の直近にある都市として発展したわけで、非常に重要な都市なのですが、どうも知名度が甘栗レベルで止まってるような気も。
なので、この本を読んでその重要性に開眼しましたし、なによりシチュエーションの面白さがすごく魅力的でした。北京の玄関口にして外港、副首都、中央政界からの避難者の退避場所、洋務派の拠点、各国公使が駐留し租界を形成する小国際都市、中国経済の現状を映し出す鏡、巨大な貧困層を抱え込み、アヘンと密輸で潤う無法都市・・・。北京とも上海とも違う独特な様相を持つ、当時の世界にとっては無視しえない重要な存在で、込み入ってるけど面白い街ですね〜。
この本では、街の機能の解説が分かりやすく書かれてて、近代化の経緯も詳しかったです。あと、貧民層・黒社会などについてもかなりのページを割いて書いてあるのがありがたい。頭目たちの経歴や、犯罪者や乞食がどういう分布でどういう生計を立てていたのかとかまで書いてある。

ところで、19世紀までロシアが中国のお茶を買う時は、華南産の茶葉が天津経由で通州まで北上し、そこから馬車やラクダで中央アジアへと陸路を運ばれてそうです。ヨーロッパまで届くのに一年を要したとか。えらい大変ですね。しかし、ウラジオストクまでシベリア鉄道ができてしまうと、全部そちらに持ってかれてしまったとか。これだと一ヶ月程度でヨーロッパまで持ってけたそうです。

あと、天津は港町だから海岸沿いにあるかと思ってたら、河を60kmも遡った所にあるんですよね。平坦な低地がずっと続いてるので蛇行しまくりだし、土砂流入が多いから、水先案内人がどうしても必要。19世紀半ばにイギリスはその水運の支配権を握ってたので、水先案内人を外国人ばかりにしてたとか。義和団事件で連合軍の船団を導いたのはドイツ人の水先案内人で、日中戦争では日本人の水先案内人だったそうです。この本に、「水先案内人は植民地主義の尖兵」みたいなことが書いてあって、なるほどなー、と思いました。

関連サイト
中国・本の情報館~中国書籍の東方書店~
http://www.toho-shoten.co.jp
天津市(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E6%B4%A5%E5%B8%82
租界(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%9F%E7%95%8C
青幇(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E5%B9%87

この記事もどうぞ。
明治時代に中国に渡った日本人たちが見た中国の姿とは・・・。草森紳一『文字の大陸 汚穢の都  明治人清国見聞録』
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「義和団事件風雲録―ペリオの見た北京 (あじあブックス)」



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