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江戸時代に中国貿易を制限するために設けられた施設のあれこれを紹介。横山宏章『長崎唐人屋敷の謎』

どうも。最近、お茶を2Lペットボトルでラッパ飲みするのが当たり前になりつつある馬頭です。
いや、なんかコップ出すのめんどくさくて・・・

それはともかく。

横山宏章『長崎唐人屋敷の謎』

『長崎唐人屋敷の謎』

(横山宏章。集英社。集英社新書598D。2011年。740円。219ページ)
はじめに
一 唐人屋敷の建設
二 唐人屋敷の生活
三 長崎にやってきた唐船
四 唐船貿易の変遷
五 中国文化が持ち込まれた長崎
六 唐人屋敷の終焉
後記
参考文献


江戸時代を通じて朝鮮にあった日本人居住区「倭館」についての本を読んだ流れで、今度は長崎にあった中国人の居住区「唐人屋敷」についての本を読んでみました。

この本は唐人屋敷に関する疑問をお題にして、Q&A形式で唐人屋敷と中国人との交易について紹介していく本です。
書いた人が、中国政治・外交史の研究者で唐人屋敷や中国交易史の専門家というわけじゃないので、本格的なものではなく、いろいろな本を読んで唐人屋敷について分かりやすくまとめた紹介本というか同人誌みたいな感じがする本です。ざっくりした書き方で、かもしれないとかだと思うとかわからないとか言う言葉が多いし、引用文で疑問について説明したりしてます。
でも、それはそれとしても、ちゃんと研究書なども読んでるし、分かりやすくまとめて唐人屋敷や近世の日中貿易に関する事柄をまんべんなく紹介してるので、読みやすいです。あと、参照した文献をいちいち説明してるのもいい。

いままでその名称しか知らず、曖昧に「江戸時代の長崎にあった中華街」程度の認識で唐人屋敷のことを思ってたけど、これでやっとどういうものかが分かってきました。
建設した目的はキリスト教の伝播を遮断するため、というのはよく言われますが、貿易量のコントロールが重要だったようです。あと、市内で勢力が大きくなり、日本人女性を妻妾にしたり、混血児が生まれてしまったりという問題もあったとか。
その唐人屋敷での生活の様子、中国との交易の内容、唐人屋敷で起こった密貿易などの事件、文化的影響のこと、さらには唐船の分類や搭載量の詳細、丸山遊女たちのことなどまでが書かれています。
唐人屋敷の建設までの経緯や盛衰が面白くさらっと読めました。唐人屋敷もまた倭館や出島などと違った面白さがありますね〜。
交易品は輸入は生糸・織物・砂糖の3つが多く、輸出は銅が特に多かったとか、島じゃないからトンネル掘って抜け荷をした話とか、遊女を介した密貿易の話、長州藩主まで出陣した密貿易目当ての船団との争いの話とか、通事と通詞は別物だったとか、遊女目的で中国人が長崎に来たりとか、どれもおしろい。
唐人屋敷で唐人たちは麻雀打ってたらしいというけど、竹書房は唐人屋敷が舞台の麻雀漫画とか出さないかなぁ。

参照サイト
集英社新書: 新書
http://shinsho.shueisha.co.jp
唐人屋敷(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%94%90%E4%BA%BA%E5%B1%8B%E6%95%B7
遷界令(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%B7%E7%95%8C%E4%BB%A4
ドラゴンボート(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%88
丸山 (長崎市)(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E5%B1%B1_(%E9%95%B7%E5%B4%8E%E5%B8%82)

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