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足軽目付たちが付け続けてきた事件の記録。高橋義夫『足軽目付犯科帳 近世酒田湊の事件簿』

どうも。馬頭です。
最近、海外ドラマの「HOMELAND」を見てるのですが、これ、原題は「THE WEEKEND」なんですよね。タイトル変える意味あんのか? 映画であれドラマであれ、邦題を英語で別につけてあるやつはあんまり好きじゃない。意味ねーだろ。

それはともかく。

高橋義夫『足軽目付犯科帳 近世酒田湊の事件簿』

『足軽目付犯科帳 近世酒田湊の事件簿』

(高橋義夫。中央公論新社。中公新書1803。2005年。720円。217ページ)
第一章 足軽目付の生活
第二章 天明飢饉と酒田湊
第三章 米の湊の難事件
第四章 庶民の娯楽と足軽目付
第五章 女の事件簿
第六章 湊町の怪しい人々
第七章 盗賊たちの群像
第八章 足軽目付の幕末維新
あとがき
参考文献


江戸時代の東北・庄内藩の酒田の港は、最上川河口付近にあり、米の回送の集積地で、大いに栄えたそうです。
その酒田に派遣されていた庄内藩の武士たちの中の、足軽たちを束ねる足軽目付という役職があったのですが、その代々の足軽目付たちが、事件などに対処した時の事例集として書いた日誌のようなもの『足軽目付御用帳』というのがありまして、それを元に当時の足軽目付たちの出会った事件・事故の諸問題を解説していきます。当時の酒田は三十六人衆という豪商たちの自治組織があって、有名な日本一の地主・酒田本間氏もその一人。

足軽目付の仕事は多岐にわたりますが、刑事事件の取り調べなんかもやるので、殺人事件や盗賊への対処についても書かれています。いろんな事件がありますが、どれも結構現代的な感じがする生々しい話ばかり。どれもかなり詳しく取り調べて記録しているので、微妙な部分までわかっておもしろいです。また、当時の困窮する人びとの姿も見えてきます。天明の大飢饉のときにも、やはり酒田へ流入する困窮者が問題となっています。特にやはり北の方が厳しいらしく、津軽藩から来て盗みを働くようになった人の話なんかもありました。

あと、庄内藩といえば、幕末のときの活躍が有名ですが、それに関する話も書いてあって、酒田の足軽目付も人不足の江戸に派遣されることになったりしますし、戊辰戦争では各地を転戦してます。(最終的には庄内藩が降伏して、足軽目付たちもお役御免となるわけです)

これ、「狼奉行」で直木賞を取った小説家の高橋義夫氏が書いている本なのですが、どうやら「足軽目付御用帳」はネタ本のひとつであるようです。確かにこれはネタになる話ばかり!



「狼奉行」


参照サイト
中公新書 - 中央公論新社
http://www.chuko.co.jp/shinsho/
高橋義夫(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E7%BE%A9%E5%A4%AB
目付(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%AE%E4%BB%98
足軽(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%B3%E8%BB%BD
酒田港(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%92%E7%94%B0%E6%B8%AF
酒田本間氏(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E9%96%93%E5%AE%B6#.E9.85.92.E7.94.B0.E6.9C.AC.E9.96.93.E6.B0.8F
庄内藩(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%84%E5%86%85%E8%97%A9

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「江戸のお白洲―史料が語る犯科帳の真実 (文春文庫)」
「聲の形」第1巻。
「HOMELAND/ホームランド ブルーレイBOX」。



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