Entries

台湾史を16世紀から現代まで概説する。伊藤潔『台湾 四百年の歴史と展望』

どうも、馬頭です。
正月は働きもしないのでお腹も減らないのですが、ついついいろいろ食べてしまいます。なので、お腹が常に破裂するんじゃないかってくらいパンパンです。

それはともかく。

伊藤潔『台湾 四百年の歴史と展望』

『台湾 四百年の歴史と展望』

(伊藤潔。中央公論新社。中公新書1144。1993年。700円。252ページ)
序章 大航海時代の波しぶき
第一章 オランダ支配下の台湾
第二章 鄭氏政権下の台湾
第三章 清国の台湾領有
第四章 台湾民主国
第五章 日本統治の基礎づくり
第六章 日本植民地下の近代化
第七章 日本戦時体制下の台湾
第八章 虐殺と粛清の二・二八事件
第九章 国民党の強権政治
第十章 奇跡の経済発展
第十一章 急テンポで進む民主化
あとがき
主な参考文献
台湾略年表


「セデック・バレ」を観てから、台湾史が気になったので手頃そうなのを買って読んでみました。大航海時代に西洋人が東アジアにまでやってきた16世紀から現代までの台湾の歴史を概説する本。中公新書から1993年に出たやつです。

スペイン人やオランダ人の進出の過程、明朝没落の中での台湾と鄭成功とその後継者たちの台湾支配について、清朝による台湾政策と台湾領有までの流れ、日本の台湾出兵から台湾統合に至る中での台湾民主国の動き、そして日本による支配について、といった読みたかった部分はちゃんとある程度の内容が書かれていて、かなりすんなり読めました。どういった統治が行われていたか、ということについてはこれで分かります。
個人的には明代以前の台湾、特に古代からの台湾史がもっと知りたかったです。あと台湾島の形成についても。文化面でのことももうちょい書いて欲しかった。
あと、なにより台湾先住民についてのことが、かなり大雑把なのが残念。山地民としてひとくくりといった感じです。「霧社事件」についても簡単な説明だけで、「セデック族」という名前すら出てきません。
まあ古い人が書いた本ですし、仕方ないのかな?

台湾史の話では、鄭氏政権の支配と内紛の話が面白かったです。あと、清国の統治の仕方とかも興味深い。日本の台湾出兵に関して、リゼンドル(ルジャンドル)というアメリカ人がかなり重要な人物だというのをいまさらながら認識。キャラクターとしても面白いな、この人。事件の経緯も、その前に起きたローバー号事件と絡めて考えないと理解できないかと。
タパニー事件(西来庵事件)も、太平天国の乱や義和団の乱のような宗教性の反乱との類似を考えると面白い。
それと初期の日本の統治の時もそうだけど、二・二八事件などに見る国民党による虐殺がエグいし、凄い数殺してますねー。

台湾史の本の中には、歴史本としては最低な類いの偏向本がありますが、これはまあ比較的まともな本です。手軽だし、読みやすいかと。

参照サイト
中公新書 - 中央公論新社
http://www.chuko.co.jp/shinsho/
伊藤潔(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E6%BD%94
台湾(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE
台湾の歴史(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
台湾原住民(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E5%85%88%E4%BD%8F%E6%B0%91
チャールズ・ルジャンドル(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB
西来庵事件(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%9D%A5%E5%BA%B5%E4%BA%8B%E4%BB%B6
霧社事件(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%A7%E7%A4%BE%E4%BA%8B%E4%BB%B6
セデック族(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF%E6%97%8F
二・二八事件(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E3%83%BB%E4%BA%8C%E5%85%AB%E4%BA%8B%E4%BB%B6

関連記事
台湾原住民セデック族の抗日蜂起・霧社事件を題材にした良作。ウェイ・ダーション監督『セデック・バレ』
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-1699.html
三国の国際関係がその支配を奇妙なものにしている。紙屋敦之『日本史リブレット 43 琉球と日本・中国』
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-1667.html
ヨーロッパに広まった日本という国の情報の伝播について。クレインス・フレデリック『十七世紀のオランダ人が見た日本』
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-1634.html
真田赤備えの生き残りがはるか南海で活躍する・・・。くろいわこーじ『浪人海廊』上巻
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-1360.html
台湾での勢力を巡って戦うスペインとオランダ。伊織たちはスペイン船へと潜入し・・・。安彦良和『麗島夢譚(うるわしじまゆめものがたり)』第3巻
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-763.html
清朝が国家として完成するまでを解説した本。石橋崇雄『大清帝国への道』
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-1700.html
太平天国の乱におけるキリスト教はどういうものだったのか? 菊池秀明『太平天国にみる異文化受容 世界史リブレット65』
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-1682.html



「鄭氏台湾史―鄭成功三代の興亡実紀 (汲古選書 (37))」
「ザ・レイド [Blu-ray]」
「江戸藩邸物語―戦場から街角へ (中公新書)」



このブログのトップページへ 
デジタル・クワルナフ HPのトップへ 
web拍手・コメントはこちらへ
web拍手レスまとめページはこちらへ  
Twitter(matou_twi)はこちらへ




関連記事
スポンサーサイト

Appendix

カウンタ

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

検索フォーム

プロフィール

管理人・馬頭

Author:管理人・馬頭
世界史系サイト「デジタル・クワルナフ」の管理人。ロシア・東欧史が大好物。馬。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

QRコード

QRコード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる