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フス戦争が舞台の「銃×少女」の物語。大西巷一『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』第1巻

どうも。馬頭です。
昨日はプロバイダへの料金支払いを滞らせたせいで、ネットを止められて大変でした。支払いしたら一時間くらいで繋がるはずだったんですが、なぜか繋がらず、サポートとあれやこれや電話でやりとりして、結局深夜までかかって復旧。どうやらネットを止められたのと同時にルーターに問題が起きたのが重なったせいみたいでした。ルーター新しいの買わないとなー。

それはともかく。

大西巷一『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』第1巻

『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』第1巻

(大西巷一。双葉社。アクションコミックス。2014年。620円。801ページ)
「1420年のボヘミア(チェコ)。カトリックによって異端とされたフス派への弾圧は苛烈を極め、幼い少女・シャールカもまたその戦禍で何もかも失い、心と体に傷を負うことになる。しかし、行き倒れた彼女を拾った傭兵隊『トロツノフの隻眼巨人隊』の隊長ヤン・ジシュカは、彼女を戦力として受け入れ、『笛(ピーシュチュラ)』と呼ばれる兵器を渡すのだった・・・」


15世紀のチェコで起きたフス戦争を題材とした漫画「乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ」の単行本が発売となりました。作者は「女媧 JOKER」「ダンス・マカブル」の大西巷一氏!!

フス戦争は、教会を批判して異端とされ処刑された神学者ヤン・フスの教えを奉ずる人びとが、弾圧する神聖ローマ帝国に抗して起こした戦いで、約100年後のプロテスタントによる宗教改革運動の先駆けともいえる興味深い戦争でした。フス派の人びとは主にチェコ(ボヘミア)とポーランドにいて、チェコが主戦場となりますが、この話のヒロイン・シャールカもそうした戦いによって両親と故郷を失って孤児となってしまいますが、そんな彼女を救ったのが、フス戦争におけるフス派側の英雄・傭兵隊長のヤン・ジシュカです。
ヤン・ジシュカは、これまで圧倒的な強さを誇っていた騎士たちを中心とする戦いに対して、非力な者でも戦えるように原始的な鉄砲「ピーシュチャラ」や、馬車を戦闘用に改造した戦車「ワゴンブルク」の車陣を活用し、女性たちも含めたフス派の人びとを率いて戦いを展開していきます。笛を意味する「ピーシュチャラ」は、のちの「ピストル」の語源ともいわれるもので、「もののけ姫」に登場したような、棒の先に銃身の筒が付いた単純なもの。シャールカも、このような銃を手に取って恐怖に身を震わせながらも戦いに参加していくことになります。敵は神聖ローマ帝国皇帝ジギスムント率いる圧倒的多数の十字軍。残虐非道な振る舞いをフス派の人びとに対して行う彼らに対し、ヤン・ジシュカのいままでにない戦術で立ち向かいます。

まさかフス戦争が舞台の漫画が出る日が来るとは思いませんでしたが、「銃×少女」の組み合わせの物語をやるとするなら、ヨーロッパでは最も古い時代にあたる舞台であり、私の大好きな中世の東欧・中欧史が題材となっているということで、大変楽しく読ませていただいています。
史実が凄いドラマチックな展開を見せたフス戦争は、漫画としても格好の題材ではないでしょうか。ヤン・ジシュカをはじめとした濃いいキャラも揃ってますしね。

ちなみに双葉社のサイトで冒頭11ページを試し読み可。→「乙女戦争」試し読み



「プラハの異端者たち―中世チェコのフス派にみる宗教改革 (叢書 歴史学への招待) 」
「フシーテン運動の研究―宗教改革前史の考察」
オスプレイ社のMen-at-Armsシリーズの「The Hussite Wars 1419-36」。


参照サイト
LA GROTTA (ラ・グロッタ)(大西巷一)
http://ohnishikoichi.jimdo.com
大西 巷一 (kouichi_ohnishi) on Twitter
https://twitter.com/kouichi_ohnishi
月刊アクション | WEBコミックアクション
http://webaction.jp/monthly_action/
ターボル戦記 ~フス戦争の記録~
http://www002.upp.so-net.ne.jp/kolvinus/tabol/top.htm
フス戦争(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%B9%E6%88%A6%E4%BA%89
フス派(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%B9%E6%B4%BE
ヤン・ジシュカ(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AB
ジギスムント (神聖ローマ皇帝) (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%AE%E3%82%B9%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%83%88_(%E7%A5%9E%E8%81%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E7%9A%87%E5%B8%9D)
バルバラ・ツェリスカ(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AB
ターボル (チェコ)(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%AB_(%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B3)
The Hussites of Bohemia(英語)
http://myweb.tiscali.co.uk/matthaywood/main/Hussites.htm

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「チェコの伝説と歴史」
「ドイツ中世後期の歴史像」
「『ルネサンスの工学者たち』 レオナルド・ダ・ヴィンチの方法試論」。前に教えて貰った本ですが、これにフス派の使った兵器などの図が少し載っています。



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