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巨人の手を馬として動力に用いるパラレル世界の革命的発展。駕籠真太郎『超動力蒙古大襲来』

どうも。馬頭です。
明日こそは江戸川を遡上するコースでいろいろ廻るつもりです。風が強くないといいけどなぁ。

それはともかく。

駕籠真太郎『超動力蒙古大襲来』

『超動力蒙古大襲来』

(駕籠真太郎。太田出版。2014年。1000円。)
「13世紀に勃興し世界を股にかける大帝国を建設したモンゴル。その勢力拡大の原動力は、巨人の手を切り落とし生み出される巨大な手だった!? その後もこのモンゴル馬は世界史の大変革に影響を与え続け・・・」


エログロにして奇怪、鮮烈でコミカルで背徳的な作品を描き続ける奇才・駕籠真太郎氏の最新単行本です。「超能力」ではなく「超動力」ですよ! まさしく超凄い動力なんです!

歴史改変のパラレル世界ものの一種ですが、その設定がぶっ飛んでまして、巨人の手が動力として大いに活用され発展した世界を描きます。スチームパンクにおける蒸気機関にあたるものが、切り落としてもなお自律する巨人の手であるといった感じです。この手は発祥の地がモンゴルだったのでモンゴル馬と呼ばれてます。
株分けのように培養して増やせるモンゴル馬は、歴史のさまざまな場面で重要な役割を担い、人々の運命を激変させていきます。

「超動力蒙古襲来」は、巨大な手が馬として活用されはじめる物語で、小さな勢力だったテムジン率いるモンゴルが、この新しい「馬」を使ってメルキト部やタタル部を撃破して、世界帝国を築くその端緒を描きます。
「超動力航路征服」(前後編)は、大航海時代、インドへ向かったヴァスコ・ダ・ガマがヨーロッパでは貴重なモンゴル馬を入手しようとする話。
「超動力革命」(前中後編)は、研究が進み世界的に広まったモンゴル馬を使って、モンゴル馬式動力を発明し、産業革命を起こして世界を変革させてしまうジェームズ・ワットと、彼に嫉妬して妨害しようとしているうちにモンゴル馬の秘密へと近づいていくリチャード・アークライトの話。
「超動力大戦」(前後編)は、第一次世界大戦の時、塹壕を突破するためアーネスト・スウィントンがモンゴル馬式動力を使った戦車を作るけど、ドイツとの戦車開発競争になって戦場が様変わりしていく話。
「超動力世界」(前中後編)は、20世紀初頭、好景気に湧くアメリカで、モンゴル馬を使用した自動車で成功を収めノリノリのヘンリー・フォードと、モンゴル馬を研究し、その存在に危惧を抱くフォードの友人・チャールズ・ソレンセンの話。
各話に2〜4ページのショートコメディな番外編がついています。

ああ、なんかこの漫画の紹介文を書いてても、文字だけじゃ何のことだかさっぱりだwww。でも、漫画で見れば一目瞭然。そんな奇妙な世界の変革の歴史を「モンゴル馬」を介して見ていくヘンテコな漫画です。でも、むちゃくちゃ面白かったですよ!

この漫画、普通の本屋に売ってなくて結局ジュンク堂まで行ってきました。サブカルにジャンル分けされてたけど、普通に漫画として面白いです。
ただ、誤植が多いのと、「ぽこぽこ」でのweb連載だったからか、画面の取り方が出版仕様に合って無くてノド側が読みにくいなど面付けが不適切だったのが残念。ツメの甘い太田出版だからしょうがないのか。

>追記
アキバブログさまに記事を取り上げていただきました。
超動力蒙古大襲来 「超エログロ&ちょっと可愛い兵器が大暴れする異世界歴史絵巻」
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51437732.html
ありがとうございます。

参照サイト
印度で乱数
http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/
おぼろ駕籠
http://kagosin.exblog.jp
ウマ(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%9E
モンゴル帝国(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%AB%E5%B8%9D%E5%9B%BD
チンギス・カン(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%B3
ヴァスコ・ダ・ガマ(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%9E
ジェームズ・ワット(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%88
リチャード・アークライト(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88
ソンムの戦い(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84
ヘンリー・フォード(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89
Charles E. Sorensen(Wikipedia)英語版
http://en.wikipedia.org/wiki/Charles_E._Sorensen
巨人 (伝説の生物)(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A8%E4%BA%BA_(%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%94%9F%E7%89%A9)

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