Entries

無文字社会の歴史を伝える者のその意図を読み解く。染田秀藤『インカ帝国の虚像と実像』

どうも。とんだマヌケの馬頭です。
今日、東急ハンズでバスタオルを買ったのですが、なんか凄いさわり心地のいいやつがあったのでそれにしました。ふかふかになるように織ってある。しかし、バッグのマジックテープにひっつけてしまって、いきなり駄目にしちゃうとか、そういうお約束が。

それはともかく。

染田秀藤『インカ帝国の虚像と実像』

『インカ帝国の虚像と実像』

(染田秀藤。講談社。講談社選書メチエ129。1998年。1600円。270ページ)
プロローグ
第一章 ペルー王国「発見」まで
第二章 征服者たちの描いたペルー王国 --1530年代
第三章 インカ「帝国」像の誕生--1540~50年代
第四章 暴かれる「インカ帝国」の虚像
エピローグ
主たる参考・参照文献

あとがき
索引


「アクリャ」読んでから気になって、インカ帝国ものの本を読んでみました。
なんだかんだ言って、南北アメリカ史なんてほぼ知らないに等しいわけですが、特にインカ帝国については、有名すぎる名前が先行して、知ったつもりになってたことばかり。今回、この本を読んでいろいろ知ることが出来ました。

この本は、「インカ帝国」と呼ばれている中世の南アメリカ大陸西岸部にあった国が、どのようなもので、どのようにしてヨーロッパ人に知られていったのか、そして、その情報はどういったものだったのか、虚実入り乱れた「インカ帝国」イメージが、どのようにして作られていったのか、その実態を暴いていきます。
この本もほんとにちょろっと読むだけのつもりだったのですが、読み始めたら面白くて止まりませんでした。
一般に「インカ帝国」と言うこの国ですが、そう言うに足るほどの国だと思ったのはヨーロッパ人たちで、この国について書かれた当時の本、「年代記(クロニカ)」などを見ると、よく「ローマ帝国のような」といった感じの形容がなされています。実際、たいした国でした、この国は。
ただ、その伝えられる内容については、玉石混交な感じで、さらに偏った伝えられかたをしたものが多かったようです。そこで、その内容に注目して、この国や住民たちがどうだったのかについて、悪く書かれる場合と良く書かれ、さらに二重三重のバイアスがかかってしまう、その理由を読み解いていきます。
各クロニカの筆記者たちの人生と立場も面白いのですが、それが当時の世界情勢に絡んで、情報が歪んだり誇張されたり隠匿されたりするわけです。この時代に情報操作とネガティブキャンペーンが繰り広げられている状況が面白い!

ちなみにアクリャは「選ばれし処女」の意味だそうです。

参照サイト
講談社 選書メチエ
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/books/metier/
インカ帝国(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E5%B8%9D%E5%9B%BD
コンキスタドール(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB

関連記事
空を飛ぶ戦士たちが侵略者たちに立ち向かう! 高田慎一郎『ACLLA(アクリャ) 太陽の巫女と空の神兵』第1巻
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-897.html
どれもが素晴らしきヴンダーカンマー。加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』第7巻から第10巻
http://xwablog.blog20.fc2.com/blog-entry-171.html
中南米の神話・伝説を集めた文庫本。松村武雄/編『マヤ・インカ神話伝説集』
http://xwablog.exblog.jp/9532442



「インカとスペイン 帝国の交錯 (興亡の世界史)」。最近だと入門にはこのあたりがいいのかな?
「アッティラ大王とフン族 「神の鞭」と呼ばれた男」。お、もう出てるみたいですね。
「アイヌの世界」



デジタル・クワルナフ サイト・トップへ  →web拍手・コメントはこちらへ  →Twitter(matou_twi)はこちらへ



関連記事
スポンサーサイト

Appendix

カウンタ

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

検索フォーム

プロフィール

管理人・馬頭

Author:管理人・馬頭
世界史系サイト「デジタル・クワルナフ」の管理人。ロシア・東欧史が大好物。馬。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

QRコード

QRコード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる